C値やUa値はどこまで必要か

C値

これはほぼ確定していて、理論上は1.0以下が必要とのこと。
理由は、1.0以下じゃないと24時間換気が計画通りできなくなるためです。

ショートサーキット

給気口から空気を吸って、排気口から空気を出したいのに
家の隙間が多いと、給気口から空気を吸わずに、隙間から吸ってしまうからです。
この現象をショートサーキットといいます。
もちろん隙間が都合よく吸気口の近くにあれば問題ないのかもしれませんが
そんな都合よくはいかないですよね。

24時間換気がうまくいかないと何が問題か

正直体感ではわからないと思いますが
集成材やクロス、合板などからシックハウス原因物質が揮発するので
それを除去できなくなるのと、
二酸化炭素濃度が上がってしまったりします。
そうなると、健康を害する可能性が高まります。

とある工務店で賃貸住まいから新築へ移り住んだ方の実測データを見せてもらったのですが
賃貸と新居では二酸化炭素濃度が全然違いました。
(でも体感ではわからないと思いますけどね(2回目))

実際は0.5以下が必要?

ちなみに理論上は1.0以下でうまく24時間換気ができることになっているのですが
何事も理論通りにいかないものなので、実際は0.5あると安心みたいです。

諸説あり?

そして0.5以下ともなると「0.1でも0.5でもそこまで違いはない!」
という工務店さんも居ましたし、「うちは0.1だ!」と誇る工務店さんも居ました。
ただ0.1を誇る工務店さんでも、気密が高すぎるとドアの開け閉めに苦労するなど
やりすぎるとデメリットが生じるとは言ってました。

C値(気密)は劣化するか?

これはデータが見つかりません。
素人考えですが、テープでぺたぺた貼って隙間を埋めるので、
剥がれたり地震で破れたりはありうるのでは?と思います。
サッシやドアは、パッキンで隙間が埋まってるだけの物もあるので
それもパッキンの劣化から逃れられないのでは?と思います。

我が家は0.5以下を目標

劣化まで考えると0.1とかの方がいいかな?とは思うのですが
うちとしては0.5以下であれば良いかなと思っています。

Ua

Ua値は難しいですが、
結論としては6地域なら0.4から0.46あたりがコスパが良いと思います。
順を追って説明していきます。

そもそも高いUa値を求める理由は?

冬暖かく夏涼しい家に住みたいからですよね。
でも、Ua値が低くても大容量のエアコンをガンガン回せば冬暖かく夏涼しい家になりますし、
Ua値が高くてもエアコンをつけないと冬暖かく夏涼しい家になりません。

Ua値とは魔法瓶

Ua値とは、魔法瓶のように温度をキープする能力です。
魔法瓶は熱いお湯や冷たい水を入れるとその温度をキープしてくれる。
Ua値は暖めた室温や涼しい室温をキープしてくれる。
というわけです。

あくまで「キープ」なので、常温の水を魔法瓶に入れても常温のままな様に
家も冷暖房したりしない限り快適な室温にはなりません。

家における熱いお湯とは?

家における熱いお湯とは、エアコン暖房であったり、日射取得です。
冷たい水は、エアコン冷房です。
そのため冬は日射取得が重要になり、
逆に夏は熱を入れたくないので日射遮蔽が重要になります。

うちはUa値低いけど冬暖かく夏涼しいぞ。という体験談

Ua値はあくまでキープ力の高さを示す値なので、
キープ力が低くても、失う熱よりも多くの熱を得られれば、
快適な室温を保てるわけです。
なので、こういった体験談やブログが嘘を言っているわけではありません。

ならばUa値を低く建てた方が建築費が安くなるのでお得なのでは?

Ua値が低くても快適な室温がキープできるなら、
Ua値を低く建てた方が建築費が安くなるのでお得なのか?と言われると
そこはそう簡単ではありません。

イニシャルコストとランニングコスト

建築費というイニシャルコストは安くとも、
電気代やエアコン購入費というランニングコストがかかるためです。

エアコンは高出力な機種になると1台あたりの金額が高くなりますし、
10〜15年毎に買い替えたりしないといけなくなります。

考えるべきは生涯コスト

自分が家に何年住むのか?を想定し
イニシャルコストとランニングコストのバランスが良いところを探る必要があります。
イニシャルコスト + (ランニングコスト × 住む年数) = 生涯コスト

コスパが良くなるUa値と住む年数の目安

今の建築費だと、
Ua値0.4くらいの家(イニシャルコスト高、ランニングコスト低)に30年住むのと
Ua値0.6くらいの家(イニシャルコスト低、ランニングコスト高)に30年住むのと
イニシャルコストとランニングコストがトントンになるぐらいみたいです。
つまり31年以上住む場合はランニングコストの差により、
Ua値0.4くらいの家の方がお得になってくるというわけです。
若くして建てる方は住む年数も増えるので、
Ua値0.3くらい行っても元が取れるかもしれません。

これはハウスメーカー毎に価格が違うと思うので、
担当者と相談しながらUa値がどこらへんになると一番安く済むか探る必要があります。

冷暖房費のシミュレーションは必須

こうしたイニシャルコストとランニングコストを考慮するためには、
「冬に室温を21度で過ごそうとした場合の暖房費」などのシミュレーションが必要になります。
Ua値やC値はあくまで性能の一部分を示す数値でしかなく
建物の形や日射取得、日射遮蔽などいろいろな影響があって
室温が決まってくるからです。

無暖房、無冷房で過ごした時の室温が計算で出せたら
室温を21度にキープするにはどれだけエネルギーが必要か?がわかり
必要なエネルギー量が分かれば電気代がわかる。という順番になります。

我が家はUa値0.46以下を目標

うちの地域では2社だけシミュレーションをしてくれるところを見つけました!
まだシミュレーションまで進んでいませんが、
多分0.4ぐらいがコスパ良くなるんじゃないかなと思っています。

物価上昇リスク、電気代上昇リスクも考慮するなら
0.3ぐらいがコスパ良くなる気もしますが
いくら生涯コストが安くなるといっても
出せるイニシャルコストには限界があるので(ぴえん)